コラム

退職日はいつにすべき?月末と月末以外で変わること

/最終更新:2026年8月5日
この記事の結論

退職日を月末にするか、その前日にするかで、社会保険料の負担が1か月分変わります。

ただし、月末退職のほうが有利になる場合もあります。加入期間の区切り、傷病手当金の要件、賞与の支給日とあわせて判断する必要があります。

この記事でわかること
  • 月末退職と月末前日退職で、社会保険料がどう変わるか
  • 加入期間の区切りが金額に与える影響
  • 退職日を決める前に確認すべき5つのこと

退職日は、多くの場合「区切りがいいから月末」と決められます。実際それで問題ないことがほとんどです。

ただ、条件によっては数万円から数十万円の差が生まれます。この記事では、退職日を決める前に確認しておきたい点を整理します。

月末退職と月末前日退職の違い

社会保険(健康保険・厚生年金)の資格を失うのは、退職日の翌日です。そして保険料は、資格を失った月の前月分までかかります。

図解1|退職日と保険料の関係(3月の場合)
退職日 資格喪失日 3月分の社会保険料
3月31日
(月末)
4月1日 かかります
3月30日
(月末の前日)
3月31日 かかりません

1日違うだけで、3月分の社会保険料がかかるかどうかが変わります

金額にすると

月収30万円の方であれば、健康保険料と厚生年金保険料の本人負担分は、合わせて4万円台になることが一般的です(地域や加入先により異なります)。

ただし、安くなるとは限りません

月末前日に退職すると、その月は会社の社会保険から外れます。しかしその月も、何らかの健康保険と年金には加入する必要があります

国民健康保険と国民年金に切り替えることになるため、そちらの保険料が別にかかります。差し引きで有利になるかどうかは、前年の所得や扶養家族の人数によって変わります。

健康保険の選択肢については退職後の健康保険はどうする?をご覧ください。

月末退職が有利になる場合

状況 理由
扶養家族が多い 会社の健康保険は、扶養家族の保険料がかかりません。国民健康保険は人数分かかります
前年の所得が高い 国民健康保険料は前年の所得で決まるため、高額になりやすくなります
加入期間があと1か月で区切りに届く 給付日数や受給資格に影響します(次章)

加入期間の区切りを確認する

ここが、金額への影響がもっとも大きい部分です。

雇用保険|給付日数が変わります

失業手当の給付日数は、雇用保険の加入期間で決まります。区切りをまたぐかどうかで、日数が変わります

図解2|加入期間の区切り(自己都合の場合)
加入期間 給付日数
1年未満 受給できません
1年以上 10年未満 90日
10年以上 20年未満 120日
20年以上 150日

会社都合の場合は年齢によっても変わり、区切りはより細かくなります。

加入期間が9年11か月の方が、あと1か月在籍して10年に達すれば、給付日数が90日から120日に増えます。日額6,208円なら約19万円の差です。

健康保険|傷病手当金の要件に影響します

退職後も傷病手当金を受け取り続けるには、退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上必要です。

転職から1年に満たない状態で退職すると、この要件を満たせません。1年に達するまで在籍を延ばすという選択肢もあります。

詳しくは傷病手当金は退職後も受け取れる?をご覧ください。

傷病手当金を受け取る場合

療養が必要な状態で退職する場合、退職日の状態が要件になります

退職日の時点でも労務不能であることが必要です

退職後の継続給付を受けるには、退職日の時点でも引き続き労務不能の状態であることが必要です。

退職日に労務した場合は、労務可能な状態になったものとして扱われ、継続給付は受けられません。

有給休暇を消化して退職日を迎える場合も、労務不能の状態が続いていることが要件になります。判断に迷う場合は、事前に加入先の保険者や専門家にご確認ください。

有給消化との関係については有給消化と傷病手当金は両立できる?で解説しています。

賞与の支給日との関係

多くの会社では、賞与の支給日に在籍していることが支給の条件になっています。就業規則で定められていることが一般的です。

確認すること 内容
支給日在籍要件 支給日に在籍していないと支給されない旨の定めがあるか
算定期間 いつからいつまでの勤務に対する賞与か
退職予定者の扱い 減額される規定がある場合があります

賞与は金額が大きいため、数十万円の差になることもあります。就業規則を確認してから退職日を決めることをおすすめします。

なお、賞与にも社会保険料がかかります。賞与の支給月に退職する場合、その月の保険料の扱いは会社の規定や資格喪失日によって変わります。

退職日を決める前のチェックリスト

図解3|退職日を決める前に確認する5項目
1
雇用保険の加入期間が、区切りに近くないか重要
1年・10年・20年の区切りをまたぐと、給付日数が変わります。雇用保険被保険者証で確認できます。

2
健康保険の加入期間が1年に達しているか重要
退職後の傷病手当金を受けるには、継続して1年以上必要です。転職から1年未満の方は要確認です。

3
賞与の支給日と支給要件を確認したか
支給日に在籍していることが条件になっている場合があります。就業規則をご確認ください。

4
有給休暇の残日数を確認したか
消化する場合、その日数を見込んで退職日を設定する必要があります。

5
退職後の健康保険をどうするか決めたか
月末退職と月末前日退職で保険料が変わります。任意継続・国民健康保険・扶養のどれを選ぶかで判断が変わります。

退職日による違いを確認できます

月収・年齢・雇用保険の加入期間・退職予定日を入れるだけ。
受け取れる見込み額と、受給スケジュールが表示されます。

受給額をかんたん試算する

※ 試算です。実際の支給は各窓口の審査により決まります

よくある質問

結局、月末と月末前日はどちらが得ですか

一概には言えません。目安としては次のような傾向があります。

扶養家族が多い、前年の所得が高い:月末退職が有利になりやすい
単身で、前年の所得が低い:月末前日退職が有利になりやすい
加入期間が区切りに近い:区切りに達するまで在籍するほうが有利

市区町村の窓口で国民健康保険料を試算してもらうと、比較しやすくなります。

退職日は自分で決められますか

会社との合意によります。就業規則で「退職の1か月前までに申し出ること」などと定められている場合が多いため、まず規定をご確認ください。民法上は、期間の定めのない雇用契約では申し出から2週間で退職できるとされていますが、実務上は会社と調整することが一般的です。

退職月の給与から、保険料が2か月分引かれていました

社会保険料を翌月の給与から控除している会社では、退職月に前月分と当月分をまとめて控除することがあります。誤りではない場合が多いのですが、気になる場合は会社にご確認ください。

体調が悪く、退職日を先延ばしにできません

療養が必要な状態であれば、休職しながら在籍を続けるという方法もあります。傷病手当金は在職中でも受け取れます。会社の休職制度をご確認ください。

加入期間があと数日で区切りに届きます

雇用保険の加入期間は月単位で計算されます。区切りに近い場合は、雇用保険被保険者証や離職票で正確な期間を確認したうえで判断してください。

まとめ

この記事の要点
  • 退職日を月末にするか前日にするかで、社会保険料が1か月分変わります
  • ただし退職後も何らかの保険に入る必要があるため、差し引きで有利とは限りません
  • 雇用保険の加入期間が区切りに近い場合は、在籍を延ばすほうが有利になることがあります
  • 退職後の傷病手当金には、健康保険の加入期間1年以上が必要です
  • 賞与の支給日在籍要件も確認してください。金額が大きい場合があります

退職日は、決めてしまうと変更が難しくなります。1日の違いで数万円から数十万円が動くことがあるため、決める前に一度確認しておく価値があります。

ご自身の加入期間や条件でどう判断すべきか分からない場合は、一度ご相談ください。確認だけでも承ります。

参考にした公的機関の情報

本記事は制度の一般的な説明です。保険料の額や給付の可否は、加入先の保険者・市区町村・ハローワークにより決定されます。当社が受給を保証するものではありません。

当サービスは民間の相談サポートであり、公的機関ではありません。

本記事に記載の内容は、令和7年8月1日時点のものです。制度改正により変更される場合があります。

※本記事は制度の一般的な説明です。個別の可否・金額は、健康保険の保険者およびハローワークの審査により決定されます。記事内容は公開時点の情報にもとづきます。

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