コラム

傷病手当金の申請書の書き方|4枚の記入者と提出の流れ

/最終更新:2026年8月5日
この記事の結論

傷病手当金の申請書は4枚あり、本人・事業主・医師がそれぞれ記入します。

1枚でも欠けると受理されません。とくに医師の証明は診察を受けた期間についてしか書けないため、依頼のタイミングが重要になります。

この記事でわかること
  • 4枚の申請書を、誰がどこに書くのか
  • いつ、誰に依頼すればよいか
  • 初回の申請でつまずきやすい3つのこと

傷病手当金の申請は、書類さえ揃えば難しいものではありません。ただ複数の人が関わるため、段取りを知らないと時間がかかります

この記事では、申請書の構成と、スムーズに進めるための順番を整理します。

申請書は4枚あります

健康保険傷病手当金支給申請書は、4枚1組になっています。

図解1|申請書の構成
枚数 記入する人 主な内容
1枚目 本人 氏名、被保険者証の記号・番号、生年月日、住所
2枚目 本人 振込先口座、申請する期間、傷病名、発病日、療養の状況
3枚目 事業主 勤務状況、給与の支払い状況
4枚目 医師 傷病名、初診日、労務不能と認めた期間、診療の内容

用紙は加入先の保険者のサイトからダウンロードできます。協会けんぽ・健康保険組合で様式が異なります。

4枚すべてが揃わないと受理されません。本人だけで完結する書類ではない、という点が最初のポイントです。

誰が、どこに書くか

本人が記入する部分(1・2枚目)

項目 書き方のポイント
被保険者証の記号・番号 健康保険証に記載されています。退職後は手元に残しておくか、控えておいてください
振込先口座 本人名義の口座に限られます。ネット銀行が使えない保険者もあります
申請する期間 医師が労務不能と認めた期間の範囲内で記入します
発病または負傷の年月日 初めて症状が出た日。正確でなくても構いませんが、医師の記載と大きく食い違わないように
療養のため休んだ期間 実際に休んだ日を記入します
報酬の有無 休んだ期間に給与が支払われたかどうか

事業主が記入する部分(3枚目)

勤務の状況と、給与の支払い状況を証明する欄です。会社の人事・総務に依頼します。

ここには出勤簿と賃金台帳の内容が記入されます。本人が記入した「休んだ期間」と食い違うと、確認に時間がかかります。

医師が記入する部分(4枚目)

医師は「診察した期間」についてしか証明できません

ここが最も重要な点です。

医師が記入するのは、実際に診察したうえで労務不能と判断した期間です。診察していない期間について、さかのぼって証明することはできません。

そのため継続して通院する必要があります。通院が途切れると、その期間は申請できなくなります。

証明には文書料がかかります。金額は医療機関によって異なりますが、1回あたり数百円から数千円程度が一般的です。

依頼する順番

4枚を効率よく揃えるには、順番があります。

図解2|申請までの流れ
STEP 1
申請書をダウンロードする
加入先の保険者のサイトから。協会けんぽか、勤務先の健康保険組合かで様式が異なります。

STEP 2
本人記入欄(1・2枚目)を書く
申請する期間を決めます。多くの場合は1か月単位です。

STEP 3
医師に4枚目を依頼する
申請する期間の最終日を過ぎてから依頼します。期間の途中では証明できません。通院時に依頼するのが効率的です。

STEP 4
事業主に3枚目を依頼する
在職中の期間について必要です。会社によっては1〜2週間かかります。

STEP 5
4枚まとめて保険者へ提出する
郵送が一般的です。会社経由で提出する場合もあります。

入金までの目安

段階 目安
書類を揃える 2週間〜1か月
保険者での審査 2週間〜1か月
休み始めてから初回の入金まで 1か月半〜2か月ほど
2回目以降 申請から2週間〜1か月

初回は時間がかかります。その間の生活費を見込んでおく必要があります

初回でつまずきやすい3つのこと

1|期間の途中で医師に依頼してしまう

医師が証明できるのは、すでに経過した期間です。「3月1日から3月31日まで」で申請するなら、依頼できるのは4月に入ってからです。

月末の通院時に、その月の分を依頼するのが効率的です。

2|通院が途切れる

体調が落ち着くと通院の間隔が空きがちですが、診察していない期間は証明できません

申請を続けるには、医師の指示に従って通院を継続する必要があります。

3|待期3日間を満たしていない

連続3日の休みが必要です

傷病手当金は、連続する3日間の待期を満たしたあと、4日目から支給されます。

1日休んで出勤し、また休む、という形では待期が成立しません。有給休暇・土日・祝日は待期に含められます。

詳しくは有給消化と傷病手当金は両立できる?をご覧ください。

退職後の申請の違い

退職後も傷病手当金を受け取る場合(継続給付)、申請の手順が少し変わります。

在職中 退職後
提出先 在職中に加入していた保険者(変わりません)
事業主証明 必要 退職日以降の期間は不要な場合があります
医師の証明 必要(変わりません)
提出方法 会社経由の場合あり 本人が直接郵送
退職後の申請でも、提出先は変わりません

「退職したから、新しく入った国民健康保険に申請するのでは」と誤解されることがありますが、そうではありません。

継続給付は、在職中に加入していた保険者から支給されます。退職後にどの健康保険に入るかとは関係ありません。

要件については傷病手当金は退職後も受け取れる?をご覧ください。

受け取れる金額と進め方を確認できます

月収と退職予定日を入れるだけで、受け取れる見込み額と、
いつ・何をすればよいかのスケジュールが表示されます。

受給額をかんたん試算する

※ 試算です。実際の支給は各窓口の審査により決まります

よくある質問

申請はまとめてできますか

複数月をまとめて申請することもできます。ただし入金もその分だけ後になるため、生活費を考えると1か月ごとの申請が一般的です。

会社が事業主証明を書いてくれません

事業主には証明に応じる義務があります。応じてもらえない場合は、その旨を保険者に相談してください。事情を説明することで、別の方法で処理される場合があります。

申請に期限はありますか

あります。傷病手当金の時効は、労務不能であった日ごとにその翌日から2年です。過ぎた分はさかのぼって請求できなくなりますので、ためすぎないようご注意ください。

医師に何と伝えればよいですか

ご自身の症状と、仕事の状況を正直にお伝えください。労務不能かどうかを判断するのは医師です。診断書の内容を指定したり、特定の記載を求めたりするものではありません。

申請書はどこで手に入りますか

加入先の保険者のサイトからダウンロードできます。協会けんぽの場合は全国健康保険協会のサイトにあります。健康保険組合の場合は、その組合のサイトをご確認ください。

まとめ

この記事の要点
  • 申請書は4枚で、本人・事業主・医師がそれぞれ記入します
  • 医師は診察した期間についてしか証明できません。通院の継続が必要です
  • 医師への依頼は、申請する期間の最終日を過ぎてからです
  • 休み始めてから初回の入金までは、1か月半から2か月ほどかかります
  • 退職後も、提出先は在職中に加入していた保険者です

手続き自体は難しくありませんが、複数の人が関わるため段取りが要ります。とくに医師への依頼のタイミングを間違えると、1か月分の申請が遅れることになります。

ご自身の状況で何から始めればよいか分からない場合は、一度ご相談ください。確認だけでも承ります。

参考にした公的機関の情報

本記事は制度の一般的な説明です。申請書の様式や必要書類は、加入先の保険者により異なります。実際の支給の可否・金額・期間は、保険者の審査により決定されます。

当サービスは民間の相談サポートであり、公的機関ではありません。症状のない方に受診をおすすめするものではなく、事実と異なる申告をおすすめするものでもありません。

本記事に記載の内容は、令和7年8月1日時点のものです。制度改正により変更される場合があります。

※本記事は制度の一般的な説明です。個別の可否・金額は、健康保険の保険者およびハローワークの審査により決定されます。記事内容は公開時点の情報にもとづきます。

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