失業手当をもらいながらアルバイトはできる?申告と減額の仕組み

失業手当を受けながら、アルバイトはできます。禁止されていません。
ただし必ず申告が必要です。働いた日数や収入によって、その日の支給が先送りになったり、減額されたりします。日数そのものが減るわけではありません。
- 働いた日の支給がどうなるか
- 「就職」とみなされる働き方の目安
- 申告の方法と、傷病手当金の場合の違い
失業手当を受け取っている間、生活のためにアルバイトをしたいと考える方は少なくありません。
結論として、働くこと自体に問題はありません。ただし扱いを知らないまま働くと、意図せず不正受給になったり、失業手当が打ち切られたりすることがあります。
働いた日の扱い
働いた日は、収入額に応じて3つのいずれかになります。
| 扱い | どうなるか |
|---|---|
| 全額支給 | 収入が少ない場合、その日も満額が支給されます |
| 減額支給 | 収入に応じて、支給額が減らされます |
| 不支給 | 収入が多い場合、その日は支給されません |
いずれの場合も、所定給付日数が減るわけではありません。不支給になった日数分は、後ろにずれるだけです。
日数は消えません
所定給付日数が90日の方が、働いたことで5日分不支給になったとします。この場合、受け取れる日数は90日のままで、受給が終わる時期が5日分うしろにずれます。
ただし受給期間(離職日の翌日から原則1年)は延びません。先送りが重なると、期間内に受け取りきれなくなることがあります。
受給期間については失業手当の受給期間は1年をご覧ください。
減額の考え方
働いた日の収入から一定額を差し引いた金額と、基本手当日額との関係で決まります。
おおまかには、収入が少なければ全額、多ければ減額または不支給という仕組みです。計算は複雑なため、ハローワークが判定します。
「就職」とみなされる場合
ここが重要な分かれ目です。働き方によっては、アルバイトではなく「就職」と判断されます。
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 週の労働時間 | 20時間以上だと、就職とみなされることが一般的です |
| 雇用保険への加入 | 加入要件を満たす働き方は、就職と判断されます |
| 雇用の見込み | 継続的に働く見込みがある場合 |
就職とみなされると、失業の状態ではなくなるため、失業手当は終了します。
就職とみなされた場合でも、所定給付日数を3分の1以上残していれば、再就職手当の対象になります。
残日数に応じて60%または70%の一時金を受け取れるため、必ずしも損とは限りません。
詳しくは再就職手当とは?をご覧ください。
週20時間が目安になります
短期・単発の仕事であれば、通常は就職とみなされません。週20時間を超えるかどうかが、ひとつの目安になります。
判断はハローワークが行います。働き始める前に相談しておくのが確実です。
申告のしかた
認定日に提出する「失業認定申告書」に記入します。
| 項目 | 記入すること |
|---|---|
| 働いた日 | カレンダー形式の欄に印を付けます。1日単位で記入します |
| 働いた時間 | 1日あたりの労働時間 |
| 収入額 | その仕事で得た額。まだ支払われていなくても、金額が決まっていれば記入します |
| 会社名 | 働いた先の名称 |
申告漏れは不正受給と判断されることがあります。発覚すると、支給額の返還に加えて、その2倍の額の納付を求められます。
次のようなケースも申告が必要です。
・1日だけ、数時間だけの仕事
・収入がなかった手伝い
・家業や親族の仕事を手伝った
・自営業や請負の準備を始めた
詳しくは給付金の不正受給とは?をご覧ください。
待期期間・給付制限中の場合
受給が始まる前の期間についても、扱いが決まっています。
| 期間 | アルバイトの扱い |
|---|---|
| 待期7日間 | 働くと、待期の完成が遅れます。働いた日数分だけ後ろにずれます |
| 給付制限中 (自己都合の1か月) |
働くこと自体は可能ですが、申告が必要です。就職とみなされる働き方は避けてください |
待期の7日間は、失業の状態であることを確認するための期間です。この間に働くと、その日数分だけ待期の完成が遅れます。
結果として、受給開始が後ろにずれます。急ぎでなければ、待期が終わるまで待つことをおすすめします。
傷病手当金の場合
傷病手当金を受けている場合は、扱いがまったく異なります。
| 失業手当 | 傷病手当金 | |
|---|---|---|
| 前提となる状態 | 働ける状態 | 働けない状態(労務不能) |
| アルバイト | 申告すれば可能 | 労務不能でなくなるため、支給されません |
傷病手当金は「労務不能であること」が支給の要件です。働けるのであれば、労務不能ではないということになります。
在職中であれば、復職して再び体調を崩した場合、通算1年6か月の枠内で支給を再開できます。
しかし退職後の継続給付は、一度労務可能な状態になると再開されません。アルバイトをしたことで労務可能と判断されると、その後ふたたび働けなくなっても受け取れなくなります。
詳しくは傷病手当金は退職後も受け取れる?をご覧ください。
療養中に働けるかどうかは、まず医師に相談してください。判断するのは医師です。
月収と退職予定日を入れるだけで、受け取れる見込み額と、
いつ・いくら入金されるかが表示されます。
※ 試算です。実際の支給は各窓口の審査により決まります
よくある質問
必要です。1日だけでも、数時間だけでも、働いた事実があれば申告します。申告すれば問題ありません。
その日の支給が減額または不支給になることはありますが、所定給付日数は減りません。受給が終わる時期が後ろにずれるだけです。ただし受給期間(原則1年)は延びないため、先送りが重なると受け取りきれなくなることがあります。
就職とみなされ、失業手当は終了します。ただし所定給付日数を3分の1以上残していれば、再就職手当を受け取れる場合があります。
雇用されていなくても、収入を得る活動は申告が必要です。事業の準備を始めた段階でも該当することがあります。継続的に行う場合は、就職とみなされる可能性もありますので、事前にハローワークへご相談ください。
労務不能であることが支給の要件のため、働ける状態であれば支給されません。療養中の就労については、まず医師にご相談ください。
まとめ
- 失業手当を受けながら、アルバイトはできます
- ただし必ず申告が必要です。1日だけ、収入なしでも申告します
- 働いた日は減額・不支給になることがありますが、日数そのものは減りません
- 週20時間以上だと就職とみなされ、失業手当は終了します
- 傷病手当金を受けている場合は、働くと支給されません
働くこと自体は認められています。問題になるのは、申告しなかった場合だけです。
判断に迷う働き方がある場合は、事前にハローワークへご相談ください。当社でもご質問に応じています。
- ハローワークインターネットサービス|失業の認定、就業手当・再就職手当
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)|傷病手当金の支給要件
本記事は制度の一般的な説明です。減額の計算や就職の判断は、ハローワークが個別に行います。
当サービスは民間の相談サポートであり、公的機関ではありません。事実と異なる申告をおすすめするものではありません。
本記事に記載の内容は、令和7年8月1日時点のものです。制度改正により変更される場合があります。
※本記事は制度の一般的な説明です。個別の可否・金額は、健康保険の保険者およびハローワークの審査により決定されます。記事内容は公開時点の情報にもとづきます。