転職先が決まっている場合の手続き|受け取れる給付と必要な書類

転職先が決まっていても、離職票は受け取っておいてください。内定が取り消される可能性や、早期に退職する可能性に備えるためです。
また、退職日と入社日の間に1日でも空白があると、国民健康保険と国民年金への加入手続きが必要になります。
- 転職先が決まっていても離職票が必要な理由
- 空白期間がある場合の手続き
- 会社から受け取る書類と、新しい職場へ提出する書類
転職先が決まっている場合、退職の手続きはシンプルに見えます。実際、失業手当を受け取ることはないため、ハローワークへ行く必要もありません。
ただ、いくつか見落とされやすい手続きがあります。この記事で整理します。
離職票は受け取っておいてください
退職の手続きで「離職票は必要ですか」と聞かれることがあります。転職先が決まっていると、つい「不要」と答えてしまいがちです。
離職票を受け取っておく理由は次のとおりです。
・内定が取り消される可能性がある
・入社後に早期に退職する可能性がある
・雇用保険の加入期間を確認できる
不要と回答すると、会社が交付の手続きをしない場合があります。あとから必要になったら請求できますが、その分だけ手続きが遅れます。
離職票が届かない場合の対処は離職票が届かないをご覧ください。
空白期間があるかどうかで変わります
退職日の翌日から新しい会社に入社する場合と、間が空く場合とで手続きが変わります。
| 空白なし (翌日入社) |
空白あり (1日でも) |
|
|---|---|---|
| 健康保険 | 新しい会社で加入 手続き不要 |
国民健康保険等への加入が必要 |
| 年金 | 新しい会社で加入 手続き不要 |
国民年金への切り替えが必要 |
| 雇用保険 | 新しい会社で加入。手続きは会社が行います | |
1日でも空くと手続きが必要です
たとえば3月31日退職、4月1日入社であれば空白はありません。
一方、3月20日退職、4月1日入社の場合は12日間の空白があります。この期間も、何らかの健康保険と年金に加入する必要があります。
| 手続き | 期限 | 窓口 |
|---|---|---|
| 国民健康保険への加入 | 14日以内 | 市区町村 |
| 国民年金への切り替え | 14日以内 | 市区町村 |
| ご家族の扶養に入る | すみやかに | ご家族の勤務先 |
健康保険料と年金保険料は月単位で計算されます。月の途中で退職して翌月に入社する場合、その月分は自分で納めることになります。
退職日を月末にすれば、この負担を避けられる場合があります。詳しくは退職日はいつにすべき?をご覧ください。
手続きをせずにいると
空白期間に医療機関にかかった場合、いったん全額を自己負担することになります。あとから国民健康保険に加入すれば払い戻しを受けられますが、手間がかかります。
また、年金の切り替えを忘れると未納期間となり、将来受け取る年金額に影響します。
会社から受け取る書類
| 書類 | 用途 |
|---|---|
| 離職票(1・2) | 念のため受け取っておいてください |
| 雇用保険被保険者証 | 新しい会社へ提出します |
| 源泉徴収票 | 新しい会社へ提出します(年末調整に必要) |
| 健康保険資格喪失証明書 | 空白期間がある場合、国民健康保険の加入に必要です |
| 年金手帳・基礎年金番号通知書 | 会社が預かっている場合は返却されます |
| 退職証明書 | 会社によっては発行されます。転職先から求められる場合があります |
源泉徴収票は、退職後1か月ほどで発行されるのが一般的です。年末調整に必要なので、忘れずに受け取ってください。
新しい職場へ提出する書類
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 雇用保険被保険者証 | 前の会社から受け取ったもの |
| 源泉徴収票 | 年内に転職する場合、年末調整に必要です |
| マイナンバーがわかるもの | 社会保険の手続きに使います |
| 基礎年金番号がわかるもの | 年金手帳など |
| 扶養控除等申告書 | 入社時に記入します |
年内に転職した場合、前職の源泉徴収票を新しい会社に提出すれば、まとめて年末調整してもらえます。
年をまたぐ場合(12月退職・1月入社など)は、前職分についてご自身で確定申告することになります。詳しくは退職後の住民税・所得税をご覧ください。
体調に不安がある場合
転職先が決まっていても、体調を崩している場合は状況が変わります。
傷病手当金を受給中の転職
傷病手当金は「労務不能であること」が支給の要件です。働ける状態になれば、支給は終了します。
転職して働き始めた時点で労務可能とみなされるため、そこで受給は終わります。退職後の継続給付を受けていた場合、一度終了すると再開できません。
入社日を調整できる場合
療養が必要な状態で無理に入社すると、早期の退職につながることがあります。
入社日を調整できる場合は、主治医と相談したうえで判断することをおすすめします。傷病手当金は通算1年6か月まで受け取れます。
詳しくは傷病手当金は退職後も受け取れる?をご覧ください。
よくある質問
必要です。1日でも空白があれば、その期間について健康保険と年金に加入する必要があります。国民健康保険は退職日の翌日にさかのぼって加入することになります。
失業手当は「働く意思と能力があり、求職活動をしている」ことが前提です。転職先が決まっている場合、失業の状態にはあたらないため受け取れません。
離職票を受け取っていれば、失業手当の手続きができます。受け取っていない場合は、前の会社に請求してください。会社には離職証明書を提出する義務があります。
労働基準法では、入社から6か月継続勤務し、出勤率が8割以上の場合に10日付与されます。前職の有給が引き継がれることはありません。ただし会社によっては、入社時から付与する制度を設けている場合があります。
離職から1年以内に再就職して雇用保険に加入した場合、前職の加入期間は通算されます。ただし失業手当を受給した場合は、その時点でリセットされます。
まとめ
- 転職先が決まっていても、離職票は受け取っておいてください
- 退職日と入社日の間に1日でも空白があると、健康保険と年金の手続きが必要です
- 手続きの期限は14日以内です
- 源泉徴収票は、新しい会社の年末調整に必要です
- 体調に不安がある場合は、入社日の調整も選択肢です
転職が決まっていると手続きは少なく見えますが、空白期間の扱いと、離職票の受け取りだけは押さえておいてください。
ご自身の状況で確認したいことがあれば、一度ご相談ください。
- ハローワークインターネットサービス|雇用保険の手続き、被保険者期間の通算
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)|資格取得・喪失の手続き
- 国税庁|年末調整、源泉徴収票
本記事は制度の一般的な説明です。手続きの詳細は、各窓口および勤務先にご確認ください。
当サービスは民間の相談サポートであり、公的機関ではありません。
本記事に記載の内容は、令和7年8月1日時点のものです。制度改正により変更される場合があります。
※本記事は制度の一般的な説明です。個別の可否・金額は、健康保険の保険者およびハローワークの審査により決定されます。記事内容は公開時点の情報にもとづきます。