コラム

失業手当はいくらもらえる?計算方法と給付日数の早見表【令和7年8月改定】

/最終更新:2026年8月5日

この記事の結論

失業手当の金額は、「1日あたりの金額」×「受け取れる日数」で決まります。

1日あたりの金額は月収と年齢で、日数は雇用保険の加入期間と退職理由で決まります。とくに退職理由の違いで、受け取れる総額が2倍以上変わることがあります

この記事でわかること
  • 失業手当の1日あたりの金額の計算方法(月収別の早見表つき)
  • 年齢・加入期間・退職理由で決まる給付日数の早見表
  • 会社都合と自己都合で、総額がどれだけ変わるか

退職を考えるとき、まず気になるのが「失業手当はいくらもらえるのか」だと思います。

ネット上には「給与の50〜80%」といった説明が多くありますが、実際にはそれだけでは決まりません。上限額があり、年齢区分があり、日数も条件によって90日から360日まで大きく変わります。

この記事では、令和7年8月1日に改定された最新の数値をもとに、ご自身の金額を計算できる形で整理します。

失業手当の金額は、2つの数字で決まる

失業手当(正式には雇用保険の「基本手当」)の総額は、次の式で決まります。

図解1|失業手当の総額
基本手当日額
1日いくら
×
所定給付日数
何日分
=
受け取れる総額
総額

それぞれが、別々の条件で決まります

決まるもの 影響する条件
基本手当日額
(1日あたり)
退職前6か月の給与離職時の年齢
所定給付日数
(何日分)
雇用保険の加入期間退職理由、および年齢

「給与が高いほど多くもらえる」というのは一部だけ正しく、上限があるため、給与が高くても頭打ちになります。一方で日数のほうは、条件によって90日から360日まで4倍の差がつきます。

1日あたりの金額(基本手当日額)の計算

ステップ1|賃金日額を出す

退職前6か月に支払われた賃金の総額を180で割ります。ボーナスは含みません。

図解2|賃金日額の計算(月収30万円の場合)
6か月の賃金総額
180万円
÷
日数
180
=
賃金日額
10,000円

ステップ2|給付率をかける

賃金日額に給付率をかけると、基本手当日額になります。給付率は、賃金日額が低い人ほど高くなる仕組みです。

賃金日額(59歳以下) 給付率
3,014円以上 5,340円未満 80%
5,340円以上 13,140円以下 80%から50%へ段階的に低下
13,140円超 50%

60〜64歳の方は計算式が異なり、上限が45%になります。

ステップ3|上限額を確認する

計算した金額が上限を超える場合は、上限額が適用されます。上限額は毎年8月1日に見直されます

図解3|基本手当日額の上限額(令和7年8月1日〜)
離職時の年齢 賃金日額の上限 基本手当日額の上限
29歳以下 14,510円 7,255円
30〜44歳 16,110円 8,055円
45〜59歳 17,740円 8,870円
60〜64歳 16,940円 7,623円

下限額は年齢に関係なく 2,411円 です。
出典:厚生労働省「雇用保険の基本手当日額が変更になります(令和7年8月1日から)」

月収別の早見表

30〜44歳の方を例に、月収ごとの目安をまとめました。

図解4|月収別の基本手当日額(30〜44歳)
月収(額面) 賃金日額 基本手当日額 1か月あたり
20万円 6,667円 4,993円 約15万円
25万円 8,333円 5,707円 約17万円
30万円 10,000円 6,208円 約19万円
35万円 11,667円 6,494円 約19万円
40万円 13,333円 6,667円 約20万円
50万円 16,667円 8,055円 約24万円

※ 30〜44歳の上限額8,055円を適用した試算です。月収50万円の方は上限に達しています。

月収35万円と40万円で日額がほとんど変わらないことに気づかれたでしょうか。給与が高くなるほど給付率が下がり、やがて上限で頭打ちになるためです。

受け取れる日数(所定給付日数)の早見表

ここからが金額に大きく影響する部分です。日数は退職理由によってまったく違う表が使われます。

自己都合で退職した場合

図解5|所定給付日数(自己都合・年齢は問わない)
雇用保険の加入期間 給付日数
1年未満 受給できません
1年以上 10年未満 90日
10年以上 20年未満 120日
20年以上 150日

会社都合で退職した場合(特定受給資格者)

解雇、倒産、契約の雇止めのほか、長時間労働や賃金の未払い、ハラスメントなどが理由の退職も該当する場合があります

図解6|所定給付日数(会社都合)
年齢 1年未満 1〜5年 5〜10年 10〜20年 20年以上
29歳以下 90日 90日 120日 180日
30〜44歳 90日 150日 180日 240日 270日
45〜59歳 90日 180日 240日 270日 330日
60〜64歳 90日 150日 180日 210日 240日

※ 年齢区分により該当しない組み合わせがあります

就職困難者に該当する場合

障害者手帳をお持ちの方や、精神疾患等で就職が困難と認められた方は、さらに日数が長くなります。

年齢 1年未満 1年以上
45歳未満 150日 300日
45〜64歳 150日 360日

自己都合の90日と比べると、最大4倍の差になります。該当する可能性がある方は、必ず確認しておきたいところです。

会社都合と自己都合で、総額はどれだけ変わるか

同じ人でも、退職理由の判定が変わるだけで総額が大きく動きます。

35歳・月収30万円・雇用保険の加入7年の方で比べてみます。

図解7|退職理由による総額の違い
自己都合
日額 6,208円
日数 90日
受給開始まで待期7日+給付制限
受け取れる総額
約 56 万円

会社都合(特定受給資格者)
日額 6,208円
日数 180日
給付制限なし・待期7日のみ
受け取れる総額
約 112 万円

退職理由の違いによる差額
約 56 万円

※ 令和7年8月1日改定後の数値で試算した目安です。実際の金額は個々の状況により異なります。

日額は同じでも、日数が2倍になるため総額も2倍になります。さらに会社都合なら給付制限がないため、受け取り始める時期も早くなります。

「自己都合で辞めた」と思っていても、会社都合に該当する場合があります

次のような事情があった場合、離職票に自己都合と書かれていても、ハローワークの判断で特定受給資格者と認められることがあります。

・退職前6か月のうち、月45時間を超える残業が3か月以上続いた
・1か月に100時間を超える残業があった
・賃金の未払いや大幅な減額があった
・上司や同僚からのハラスメントがあった
・一方的な配置転換や職種変更を命じられた

該当するかどうかは、記録が残っているかで決まります。タイムカードや給与明細、メールなどが判断材料になります。

給付制限|いつから受け取れるか

退職理由によって、受け取り始める時期も変わります。

退職理由 受給開始までの期間
会社都合 待期7日間のみ。その後すぐ受給が始まります
自己都合 待期7日間+給付制限期間。令和7年4月以降に離職した方は原則1か月に短縮されています

自己都合の給付制限は、令和7年4月1日から従来の2か月が1か月に短縮されました。また、離職期間中に教育訓練を受けた場合は給付制限が課されない仕組みもあります。

詳しい要件はハローワークインターネットサービスで確認できます。

総額の計算例

ここまでの内容をもとに、3つのケースで計算してみます。

条件 日額 日数 総額
28歳・月収25万円
加入3年・自己都合
5,707円 90日 約51万円
35歳・月収30万円
加入7年・会社都合
6,208円 180日 約112万円
50歳・月収40万円
加入22年・会社都合
8,004円 330日 約264万円

同じ「失業手当」でも、条件によって50万円から260万円以上まで幅があります。

ご自身の場合にいくらになるかは、条件を入れれば自動で計算できます。

あなたの受給額を30秒で確認

月収・年齢・雇用保険の加入期間・退職予定日を入れるだけ。
受け取れる見込み額に加えて、いつ・いくら入金されるかのスケジュールまで表示されます。

受給額をかんたん試算する

※ 試算です。実際の支給は各窓口の審査により決まります

よくある質問

ボーナスは計算に含まれますか

含まれません。賃金日額の計算に使うのは、退職前6か月に毎月支払われた賃金です。賞与や臨時の手当は除きます。

残業代は含まれますか

含まれます。毎月支払われる賃金であれば、残業代や通勤手当も対象です。そのため、残業が多かった方は賃金日額が高くなる傾向があります。

失業手当に税金はかかりますか

かかりません。失業手当は非課税で、所得税も住民税もかかりません。確定申告の対象にもなりません。

受給中にアルバイトはできますか

できますが、働いた日数や収入によって支給額が減額されたり、支給が先送りになったりします。申告せずに働くと不正受給になり、返還に加えて追加の納付を求められます。必ずハローワークに申告してください。

早く再就職したら、残りは受け取れませんか

所定給付日数を一定以上残して再就職した場合、「再就職手当」として残日数分の60〜70%を一時金で受け取れます。早く決まるほど支給率が高くなる仕組みです。

療養中で働けない場合はどうなりますか

失業手当は「働ける状態」が前提のため、療養中は受け取れません。ただし受給期間を最長4年まで延長する制度があり、回復後に受け取ることができます。詳しくは傷病手当金と失業手当は「どっちが先」?をご覧ください。

まとめ

この記事の要点
  • 失業手当の総額は「基本手当日額 × 所定給付日数」で決まります
  • 日額は月収と年齢で決まり、年齢ごとに上限額があります(令和7年8月1日改定)
  • 日数は加入期間と退職理由で決まり、90日から360日まで幅があります
  • 会社都合か自己都合かで、総額が2倍以上変わることがあります
  • 自己都合でも、長時間労働やハラスメントなどの事情があれば会社都合と判断される場合があります

失業手当は、条件を1つ確認し忘れるだけで受け取れる額が大きく変わります。とくに退職理由の判定は、記録が残っているかどうかで結果が変わるため、在職中の準備が効いてきます。

ご自身がどの条件に当てはまるか分からない場合は、一度ご相談ください。確認だけでも承ります。

参考にした公的機関の情報

本記事は制度の一般的な説明です。実際の支給の可否・金額・期間は、ハローワークの審査により決定されます。当社が受給を保証するものではありません。

当サービスは民間の相談サポートであり、公的機関ではありません。

本記事に記載の金額・給付日数などの数値は、令和7年8月1日時点のものです。基本手当日額は毎年8月1日に改定されます。

※本記事は制度の一般的な説明です。個別の可否・金額は、健康保険の保険者およびハローワークの審査により決定されます。記事内容は公開時点の情報にもとづきます。

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