傷病手当金はいくらもらえる?計算方法と月収別の早見表

傷病手当金は、月収のおよそ3分の2が、最長1年6か月支給されます。
月収30万円の方であれば、1日あたり約6,667円、1か月で約20万円。18か月受け取ると約360万円になります。
- 傷病手当金の計算方法(月収別の早見表つき)
- いつから、いつまで受け取れるのか
- 支給されない期間と、その考え方
病気やケガで働けなくなったとき、健康保険から支給されるのが傷病手当金です。
失業手当と比べて知名度が低く、「そんな制度があるとは知らなかった」という方も少なくありません。しかし金額の面では、失業手当を上回ることが多い制度です。
この記事では、ご自身の場合にいくらになるかを計算できる形で整理します。
傷病手当金の計算方法
計算式はこうです。
1か月あたり約20万円(30日分の場合)
「標準報酬月額」とは
健康保険料の計算に使われる金額で、実際の給与を等級に当てはめたものです。給与明細の健康保険料の欄や、ねんきん定期便で確認できます。
傷病手当金では、支給を開始する日以前12か月間の標準報酬月額を平均した額を使います。直近の1か月だけではありません。
転職などで健康保険の加入期間が12か月未満の場合は、次のいずれか低いほうを使って計算します。
・加入している期間の標準報酬月額の平均
・加入している健康保険の全被保険者の標準報酬月額の平均
後者は保険者によって金額が異なります。詳しくは加入先にご確認ください。
「およそ3分の2」であって、給与の全額ではありません
手取りで考えると、実際の目減りはもう少し小さくなります。傷病手当金は非課税で、所得税も住民税もかからないためです。
ただし、健康保険料と年金保険料の負担は続きます。在職中は会社と折半ですが、退職後は自分で納めることになります。
月収別の早見表
| 月収(額面) | 1日あたり | 1か月あたり | 18か月の総額 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 4,444円 | 約13万円 | 約240万円 |
| 25万円 | 5,556円 | 約17万円 | 約300万円 |
| 30万円 | 6,667円 | 約20万円 | 約360万円 |
| 35万円 | 7,778円 | 約23万円 | 約420万円 |
| 40万円 | 8,889円 | 約27万円 | 約480万円 |
| 45万円 | 10,000円 | 約30万円 | 約540万円 |
| 50万円 | 11,111円 | 約33万円 | 約600万円 |
※ 標準報酬月額が月収と同額であると仮定した試算です。実際は等級表に当てはめるため、金額が前後します。
失業手当と違い、傷病手当金には日額の上限がありません。給与が高い方ほど、そのまま金額に反映されます。
ご自身の場合にいくらになるかは、受給シミュレーターで確認できます。失業手当と合わせた総額も表示されます。
いつから受け取れるか|待期期間
休み始めてすぐに支給されるわけではありません。連続する3日間の待期を満たす必要があります。
| 日 | 状態 | 支給 |
|---|---|---|
| 1日目 | 休業 | 待期 |
| 2日目 | 休業 | 待期 |
| 3日目 | 休業 | 待期(ここで成立) |
| 4日目〜 | 休業 | 支給の対象 |
待期の3日間には、有給休暇・土日・祝日も含められます。
ポイントは「連続」であることです。1日休んで出勤し、また休む、という形では待期が成立しません。3日連続して休む必要があります。
なお、待期期間中に給与が支払われていても構いません。待期の成立には影響しません。
いつまで受け取れるか|通算1年6か月
支給を開始した日から通算して1年6か月です。
令和4年1月から「通算」に変わりました
| 数え方 | 途中で復職した場合 | |
|---|---|---|
| 令和3年12月まで | 支給開始日から暦で1年6か月 | 復職した期間も消化される |
| 令和4年1月から | 支給された日を通算して1年6か月 | 復職した期間は消化されない |
この改正により、途中で復職しても、残りの期間が減らなくなりました。回復して働いてみたものの再び体調を崩した、という場合でも、支給されなかった期間は消化されません。
この「通算」の仕組みが使えるのは、在職中に限られます。
退職後の継続給付では、一度でも労務可能な状態になると、その後ふたたび働けなくなっても再開されません。ここは在職中との大きな違いです。
詳しくは傷病手当金は退職後も受け取れる?をご覧ください。
支給されない・減額される場合
| 状況 | 取り扱い |
|---|---|
| 給与が支払われている | 支給されません。ただし給与が傷病手当金より少ない場合は、差額が支給されます |
| 労災保険の給付を受けている | 業務が原因の傷病は労災の対象となり、傷病手当金は支給されません |
| 出産手当金を受けている | 出産手当金が優先されます。傷病手当金のほうが多い場合は差額が支給されます |
| 障害厚生年金を受けている | 年金額との調整が行われ、差額が支給される場合があります |
| 退職後に老齢年金を受けている | 年金額との調整が行われる場合があります |
いずれも「二重に受け取ることはできないが、多いほうの水準は確保される」という考え方です。
失業手当との比較
同じ方が受け取る場合、どちらが多くなるかを比べてみます。
| 傷病手当金 | 失業手当(自己都合) | |
|---|---|---|
| 1日あたり | 6,667円 | 6,208円 |
| 期間 | 最長540日 | 90日 |
| 総額 | 約360万円 | 約56万円 |
| 上限額 | なし | あり(年齢区分ごと) |
| 課税 | 非課税 | 非課税 |
期間の差が大きいため、総額では傷病手当金が上回ることがほとんどです。
なお、この2つは同時に受け取ることができません。順番については傷病手当金と失業手当は「どっちが先」?で解説しています。
月収と退職予定日を入れるだけで、傷病手当金と失業手当を合わせた見込み額と、
いつ・いくら入金されるかのスケジュールが表示されます。
※ 試算です。実際の支給は各窓口の審査により決まります
よくある質問
申請書が保険者に届いてから、おおむね2週間から1か月ほどが目安です。初回は事業主証明や医師の証明を揃える必要があるため、休み始めてから最初の入金までは1か月半から2か月ほどかかることが多くあります。
原則として、支給を受けようとする期間ごとに申請します。多くの場合は1か月単位です。そのつど医師の証明が必要になるため、通院を続ける必要があります。
対象になります。業務外の傷病で、医師が労務不能と判断した場合であれば、精神疾患も身体疾患も同じ扱いです。腰痛やヘルニア、手術後の療養、がんの治療なども含まれます。
健康保険の被保険者であれば対象です。勤務先の健康保険に加入し、保険料を納めている方であれば、雇用形態は問いません。ご家族の扶養に入っている方は対象外です。
受給の記録が転職先に共有される仕組みはありません。離職票や源泉徴収票にも記載されません。
国民健康保険には、原則として傷病手当金の制度がありません。自営業やフリーランスの方は対象外です。会社員として健康保険に加入している間だけの制度とお考えください。
まとめ
- 傷病手当金は月収のおよそ3分の2が、最長1年6か月支給されます
- 計算には支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均を使います
- 連続する3日間の待期を満たしたあと、4日目から支給されます
- 令和4年1月から通算制になり、途中で復職した期間は消化されなくなりました
- 失業手当と違い、日額の上限がありません。総額では失業手当を上回ることがほとんどです
金額の面では大きな制度ですが、受け取るには医師の証明が必要です。ご自身で「働けない」と判断するものではなく、受診したうえでの判断になります。
体調に不安があり、退職を考えている場合は、一度ご相談ください。確認だけでも承ります。
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)|傷病手当金の支給額・支給期間・申請書類
- 厚生労働省|健康保険制度の概要、傷病手当金の支給期間の通算化
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本記事は制度の一般的な説明です。実際の支給の可否・金額・期間は、加入先の健康保険の保険者の審査により決定されます。当社が受給を保証するものではありません。
当サービスは民間の相談サポートであり、公的機関ではありません。症状のない方に受診をおすすめするものではありません。
本記事に記載の内容は、令和7年8月1日時点のものです。制度改正により変更される場合があります。
※本記事は制度の一般的な説明です。個別の可否・金額は、健康保険の保険者およびハローワークの審査により決定されます。記事内容は公開時点の情報にもとづきます。