就職困難者とは?失業手当が最長360日になる条件と手続き

就職困難者と認められると、失業手当の給付日数が最長360日まで延びます。
自己都合の90日と比べると4倍です。金額にすると100万円以上の差になることもあります。障害者手帳をお持ちの方のほか、精神疾患で通院中の方も対象になる場合があります。
- 就職困難者に該当する人の範囲
- 給付日数がどれだけ変わるか(金額つき)
- 認定を受けるための手続き
失業手当の給付日数は、通常は年齢・雇用保険の加入期間・退職理由で決まります。
ただし「就職困難者」に該当する場合は、別の表が使われます。この表は通常より大幅に日数が長く、しかも加入期間が短くても長い日数が適用されます。
該当する可能性があるのに知らないまま手続きしてしまう方が少なくないため、この記事で整理します。
就職困難者とは
雇用保険において、身体や精神の状況などにより就職が困難と認められる方を指します。
再就職までに時間がかかることが想定されるため、その間の生活を支えられるよう、給付日数が長く設定されています。
| 区分 | 給付日数 |
|---|---|
| 一般の受給資格者 (自己都合など) |
90日〜150日 |
| 特定受給資格者 (会社都合など) |
90日〜330日 |
| 就職困難者 | 150日〜360日 |
給付日数はどれだけ変わるか
| 年齢 | 雇用保険の加入1年未満 | 1年以上 |
|---|---|---|
| 45歳未満 | 150日 | 300日 |
| 45〜64歳 | 150日 | 360日 |
加入期間が1年あれば、それ以上長くても日数は変わりません。
注目したいのは、加入期間が1年あれば最長日数が適用される点です。通常は加入10年、20年と長くなるほど日数が増えますが、就職困難者にはその区分がありません。
自己都合との比較
35歳・月収30万円(基本手当日額6,208円)の方で比べます。
※ 基本手当日額6,208円で試算した目安です。実際の金額は個々の状況により異なります。
45〜64歳の方であれば日数は360日になり、差はさらに広がります(約168万円)。
ご自身の基本手当日額は受給シミュレーターで確認できます。
該当する人の範囲
手帳がなくても対象になる場合
ここが、この記事でもっとも知っていただきたい点です。
障害者手帳がなくても、就職困難者と認められることがあります。
うつ病や適応障害などで通院しているものの、手帳の交付までは受けていない、という方は少なくありません。この場合でも、主治医の意見書などをもとにハローワークが判断します。
ハローワークは、通院の事実を自動的には把握しません。申し出て、必要な書類を提出しなければ、通常の受給資格者として処理されます。
「手帳がないから対象外だろう」と思い込んで申し出ず、90日で終わってしまうケースが起こりやすいところです。通院している場合は、手続きの際に必ず申し出てください。
判断の材料になるもの
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 主治医の意見書 | 就労にあたって配慮が必要な状況などを記載したもの |
| 診断書 | 傷病名、治療の経過、現在の状態 |
| 自立支援医療受給者証 | 精神通院医療の対象となっている場合 |
| お薬手帳・通院の記録 | 継続的に治療を受けていることの参考資料 |
必要な書類はハローワークによって案内が異なる場合があります。手続きの前に、管轄のハローワークへ確認しておくとスムーズです。
認定の手続き
就職困難者として失業手当を受け取るには、働ける状態であることが前提です。求職の申込みをした時点で、傷病手当金は終了します。
療養が必要な段階では、まず傷病手当金を受け取り、回復してから失業手当に切り替えるのが順番です。その間は受給期間の延長を申請しておく必要があります。
詳しくは傷病手当金と失業手当は「どっちが先」?をご覧ください。
月収・年齢・雇用保険の加入期間を入れるだけ。
就職困難者に該当する場合の日数と金額も表示されます。
※ 試算です。実際の認定はハローワークが行います
よくある質問
手帳の交付前でも、主治医の意見書などをもとに判断される場合があります。申請中であることを含めて、ハローワークにご相談ください。
離職理由によって判断されます。自己都合であれば給付制限がありますが、体調不良を理由とする退職では特定理由離職者に該当し、給付制限がなくなる場合があります。
ハローワークでの手続きに、会社は関与しません。認定の事実が前の勤務先に伝わることはありません。
通常と同じく、求職活動の実績が必要です。ただし障害者向けの窓口や専門の職員による支援を受けられる場合があります。ハローワークにご相談ください。
受給の途中でも、状況が変わった場合は申し出ることができます。ただし取り扱いは時期によって異なるため、早めにハローワークへご相談ください。
まとめ
- 就職困難者と認められると、給付日数が最長360日になります
- 自己都合の90日と比べ、100万円以上の差になることがあります
- 雇用保険の加入期間が1年あれば最長日数が適用されます
- 障害者手帳がなくても、通院の状況によっては対象になります
- ただし自分から申し出なければ判断されません
この制度は、該当するかどうかで受け取れる額が大きく変わります。それでいて、知らなければ申し出ようがないという性質のものです。
通院している、または過去に通院していたという方は、手続きの際に必ず申し出てください。ご自身が該当するか分からない場合は、一度ご相談いただいても構いません。
- ハローワークインターネットサービス|基本手当の所定給付日数、就職困難者の範囲
- 厚生労働省|雇用保険制度、障害者の就労支援
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本記事は制度の一般的な説明です。就職困難者に該当するかどうかの判断、および支給の可否・金額・期間は、ハローワークの審査により決定されます。当社が受給を保証するものではありません。
当サービスは民間の相談サポートであり、公的機関ではありません。症状のない方に受診をおすすめするものではありません。
本記事に記載の内容は、令和7年8月1日時点のものです。制度改正により変更される場合があります。
※本記事は制度の一般的な説明です。個別の可否・金額は、健康保険の保険者およびハローワークの審査により決定されます。記事内容は公開時点の情報にもとづきます。