コラム

再就職手当とは?早く決まるほど得をする一時金の計算方法

/最終更新:2026年8月5日
この記事の結論

失業手当の受給中に再就職すると、残っている日数に応じた一時金を受け取れます。これが再就職手当です。

支給率は60%または70%早く決まるほど金額が増える仕組みになっています。

この記事でわかること
  • 再就職手当の計算方法と、実際の金額の目安
  • 受け取るための6つの条件
  • もらい忘れやすいケースと、その対処

「失業手当を全部もらってから就職したほうが得ではないか」と考える方は少なくありません。

実際には、早く決まったほうが有利になる仕組みが用意されています。それが再就職手当です。この記事では、いくら受け取れるのか、どんな条件があるのかを整理します。

再就職手当とは

失業手当(基本手当)を受け取っている途中で再就職した場合に、残った日数分の一部を一時金として受け取れる制度です。

雇用保険の「就業促進手当」のひとつで、早期の再就職を後押しするために設けられています。

図解1|再就職手当のしくみ
状況 受け取れるもの
最後まで失業手当を受給 所定給付日数の全額(分割で受給)
途中で再就職 そこまでの失業手当 + 残日数に応じた一時金

いくら受け取れるか

計算式はこうです。

図解2|再就職手当の計算
残っている日数
60日
×
基本手当日額
6,208円
×
支給率
70%
=
一時金
260,736円

支給率は残日数で決まります

再就職した時点の残日数 支給率
所定給付日数の3分の2以上 70%
所定給付日数の3分の1以上 60%
3分の1未満 → 再就職手当は支給されません

金額の例

35歳・月収30万円・基本手当日額6,208円の方を例にします。

図解3|所定給付日数別の再就職手当
所定給付日数 残日数 支給率 一時金
90日
(自己都合)
60日 70% 約26万円
30日 60% 約11万円
180日
(会社都合)
120日 70% 約52万円
60日 60% 約22万円

※ 基本手当日額6,208円で試算した目安です。実際の金額は個々の状況により異なります。

ご自身の基本手当日額は、受給シミュレーターで確認できます。

受け取るための6つの条件

図解4|再就職手当の支給条件
1
所定給付日数を3分の1以上残していること重要
残日数が3分の1未満になると対象外です。就職が決まりそうなら、残日数を意識してください。

2
待期7日間を過ぎてから就職したこと
ハローワークで手続きをしてから7日間は待期期間です。この期間中に決まった就職は対象外になります。

3
1年を超えて勤務することが見込まれること
短期の契約や日雇いは対象外です。契約期間が1年以下でも、更新の見込みがあれば認められる場合があります。

4
雇用保険の被保険者になること
就職先で雇用保険に加入する必要があります。加入要件を満たさない短時間勤務は対象外です。

5
離職前の事業主に再び雇用されたのではないこと
元の会社に戻る場合や、資本・人事・取引の面で密接な関係にある会社への就職は対象外です。

6
過去3年以内に再就職手当等を受けていないこと
直近3年以内に再就職手当や常用就職支度手当を受けている場合は対象外です。

自己都合の場合、給付制限中の就職には条件があります

自己都合で退職した方には給付制限(原則1か月)がありますが、この期間中に就職した場合は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介による就職であることが必要です。

待期満了後1か月以内に、自分で見つけた求人に応募して決まった場合、対象外になることがあります。給付制限中に就職が決まりそうなときは、事前にハローワークへご相談ください。

早く決めたほうが得になる理由

「最後までもらってから就職したほうが総額は多いのでは」という疑問について、数字で確認します。

図解5|90日(自己都合)の場合の比較
30日目に再就職
失業手当 30日分
約19万円
再就職手当 60日残×70%
約26万円
給与 60日分
就職先からの収入
給付の合計
約 45 万円

90日すべて受給
失業手当 90日分
約56万円
再就職手当 なし
給与はこの期間なし
給付の合計
約 56 万円

給付だけを見れば全部受給したほうが多くなりますが、早く就職した場合は60日分の給与が別に入ります。

給付の金額だけを比べると、最後まで受給したほうが11万円ほど多くなります。しかし早く就職すれば、その期間の給与が別に入ります。月収30万円なら2か月で60万円です。

再就職手当は、この差を埋めて「早く決めても損をしない」ようにするための制度です。

もらい忘れやすいケース

1|療養から回復して就職した場合

傷病手当金を受け取ったあと、回復して失業手当に切り替え、そのまま就職した場合です。

手続きが続いているため見落としやすいのですが、失業手当の残日数が3分の1以上あれば、再就職手当の対象になります

2|自分で見つけた求人で決まった場合

ハローワークの紹介でなくても、原則として対象になります(給付制限中を除く)。転職サイトや知人の紹介で決まった場合も申請できます。

3|申請の期限を過ぎた場合

申請には期限があります

再就職した日の翌日から1か月以内に申請する必要があります。

新しい職場に慣れることで頭がいっぱいになり、気づいたときには期限を過ぎていた、というケースが起こりやすいところです。就職が決まったら、まずハローワークへ連絡してください。

受け取れる総額を確認できます

月収と退職予定日を入れるだけで、失業手当・傷病手当金・再就職手当を
合わせた見込み額と、受給スケジュールが表示されます。

受給額をかんたん試算する

※ 試算です。実際の支給は各窓口の審査により決まります

よくある質問

再就職手当に税金はかかりますか

かかりません。雇用保険の給付は非課税です。所得税も住民税もかからず、確定申告の対象にもなりません。

いつ振り込まれますか

申請してから1か月から1か月半ほどが目安です。ハローワークが就職先へ在籍確認を行うため、その分の時間がかかります。

就職後すぐに辞めた場合はどうなりますか

再就職手当を受け取ったあとに離職しても、原則として返還は求められません。ただし支給決定の前に離職した場合は、支給されないことがあります。

アルバイトでも対象になりますか

雇用保険の被保険者になり、1年を超えて勤務することが見込まれる場合は対象になります。週20時間未満などで雇用保険に加入しない働き方は対象外です。

再就職手当のほかに受け取れるものはありますか

再就職後の賃金が離職前より低い場合、「就業促進定着手当」を受け取れることがあります。6か月間勤務したあとに申請するもので、賃金の差額に応じて支給されます。

まとめ

この記事の要点
  • 再就職手当は、失業手当の残日数に応じて受け取れる一時金です
  • 支給率は残日数が3分の2以上で70%、3分の1以上で60%です
  • 3分の1未満になると対象外になります
  • 自己都合の給付制限中は、ハローワーク等の紹介による就職であることが必要です
  • 申請は再就職した日の翌日から1か月以内です

失業手当を受け取っている間は、就職を急ぐと損をするように感じるかもしれません。しかし制度としては、早く決めた方が不利にならないよう設計されています

ご自身の残日数や支給率が分からない場合は、一度ご相談ください。確認だけでも承ります。

参考にした公的機関の情報

本記事は制度の一般的な説明です。実際の支給の可否・金額は、ハローワークの審査により決定されます。当社が受給を保証するものではありません。

当サービスは民間の相談サポートであり、公的機関ではありません。

本記事に記載の内容は、令和7年8月1日時点のものです。制度改正により変更される場合があります。

※本記事は制度の一般的な説明です。個別の可否・金額は、健康保険の保険者およびハローワークの審査により決定されます。記事内容は公開時点の情報にもとづきます。

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